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国税と住民税の非課税範囲の違い

2020年9月16日

国税については、確定申告の時に、簡単にわかるのですが、住民税については、ちょっとわかりにくいです。
国税は、一年(1月~12月)が終わってから、税金を払いますが、住民税は、前年の所得にもとづいて税額計算(高額所得でも均一税率)が行われ、6月から翌年5月までの住民税が決定されます。
住民税は前年の分を元に翌年の6月から課税額が決まります

住民税は均等割と所得割の合計額になります。
給与収入がある人で扶養親族のいない人は、合計所得金額(収入-給与所得控除55万円)が42万円以下なら住民税の均等割がかからないです。
給与収入がある人で扶養親族のいる人は、合計所得金額(収入-給与所得控除55万円)が「(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)×35万円+42万円」以下なら住民税の均等割がかからないです。
2020年から給与収入がある人で扶養親族のいる人は、合計所得金額(収入-給与所得控除55万円)が「(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)×32万円+29万円」以下なら住民税の均等割がかからないに変更になりました。

均等割がかからない人は所得割もかからないので住民税が非課税になります。

世帯の全員の人が住民税非課税であれば非課税世帯になります。

住民税の所得割は国税の算定方法と似ていますが、国税と住民税の所得割では控除できる額が微妙に違います。
給与控除の最低額65万円は国税も住民税も同一です。(2020年から国税も住民税も最低55万円 住民税は最低55万円)
基礎控除は国税が38万円に対して、住民税は33万円です。(2020年分から国税の基礎控除は所得によって控除額が変わるようになって最高48万円 住民税の基礎控除は所得によって控除額が変わるようになって最高43万円)
配偶者控除は国税が38万円に対して、住民税は33万円です。(2020年分から国税38万円 住民税は33万円)
老人配偶者控除は国税が48万円に対して、住民税は38万円です。(2020年分から国税48万円 住民税は38万円)
配偶者特別控除は国税が限度額38万円に対して、住民税は限度額33万円です。(2020年分から国税38万円 住民税は33万円)
一般の扶養控除は国税が38万円に対して、住民税は33万円です。(2020年分から国税38万円  住民税は33万円)
特定扶養控除は国税が63万円に対して、住民税は45万円です。(2020年分から国税63万円 住民税は45万円)
老人扶養控除は国税が48万円に対して、住民税は38万円です。(2020年分から国税48万円 住民税は38万円)
同居労親等扶養控除は国税が58万円に対して、住民税は45万円です。(2020年分から国税58万円 住民税は45万円)
障害者控除は国税が27万円に対して、住民税は26万円です。(2020年分から国税27万円 住民税は26万円)
特別障碍者控除は国税が40万円に対して、住民税は30万円です。(2020年分から国税40万円 住民税は30万円)
同居特別障碍者控除は国税が75万円に対して、住民税は53万円です。(2020年分からら国税75万円 住民税は53万円)
寡婦・寡夫控除は国税が27万円に対して、住民税は26万円です。(2020年分から国税も住民税も寡夫控除は廃止 寡婦控除は国税27万円 住民税は26万円  ひとり親控除が新設 国税35万円 住民税30万円)
特別寡婦控除は国税が35万円に対して、住民税は30万円です。(2020年分から国税35万円 住民税は30万円)
勤労学生控除は国税が27万円に対して、住民税は26万円です。(2020年分から国税27万円 住民税は26万円)
生命保険料控除(新制度)は国税が合計限度額12万円に対して、住民税は合計限度額7万円です。(2020年分から国税で8万円以上で最高4万円 住民税は7万円以上で最高2.8万円)
生命保険料控除(旧制度)は国税が合計限度額12万円に対して、住民税は合計限度額7万円です。(2020年分から国税で10万円以上で最高5万円 住民税は7万円以上で最高3.5万円)
地震保険料控除は国税が合計限度額5万円に対して、住民税は合計限度額2.5万円です。(2020年分から国税で最高5万円 住民税は最高2.5万円)
社会保険控除は国税と住民税は同一です。
医療費控除は国税と住民税は同一です。
雑損控除は国税と住民税は同一です。
小規模企業共済等掛け金控除は国税と住民税は同一です。

年金は雑所得になりますが、公的年金控除を差し引いた額が所得金額になります。
公的年金控除は2020年から65歳未満は最低60万円、65歳以上は最低110万円です。

住民税非課税世帯になると金沢市の場合、
国民健康保険料(医療分、支援分、介護分)が減額されます。
幼稚園、保育所、認定こども園の保育料は一般には有料の0才から2才も一定金額まで無償です。
高校生等奨学給付金の受給もできます。
高齢者の要介護対象工事の助成割合が90%(限度額70万円)と増額されます。
介護保険施設、ショートステイを利用する際、利用料のほかに居住費(滞在費)及び食費の負担が申請により負担額が軽減されます。その他の介護保険の自己負担額も低減されます。
後期高齢者医療の保険料も低減されます。
医療費の自己負担限度額(高額療養費)も低減されます。
精神に障害のある人の自立支援医療(精神通院医療)の自己負担上限額が低くなります。
精神に障害のある人のいる世帯のNHK受信料が免除されます。
がん検診、すこやか検診の受診料金が免除になります。
高等教育(所定の大学、短期大学、高等専門学校、専門学校)の授業料や入学金の免除・減額されます。
入院時の食事代が減免されます。

非課税世帯である通知は無いようですが、非課税世帯の証明書は非課税対象の翌年の6月11日以降に発行可能です。世帯全体としての非課税世帯の証明書は存在せず、世帯全員の非課税証明書をもって非課税世帯の証明書となるようです。
なお、通常は所得の無い人は税に申告は不要ですが、非課税による優遇制度を利用する場合は世帯全員が税の申告をしないといけません。

2021年7月19日

金沢市における非課税世帯の優遇制度について、詳しく調べてみました。
しつこく書きますが、世帯に無収入で税金の申告が不要の人がいても、市民税課で申告しないと非課税世帯としての優遇は受けられません。
6月中に住民税が決まりますので、新たに非課税世帯になった場合、7月には申請可能だと思われます。

国民健康保険料(医療分、支援分、介護分)の減額
これは国民健康保険(後期高齢者医療も含む)の場合は、金沢市の医療保険課から問い合わせの書類が届くようです。その書類を送れば減額されるそうです。
希望すれば、標準負担額減額認定証が送られてきて、医療費の自己負担限度額などに使えるようです。
ちなみに、社会保険加入者でも非課税世帯である場合もありえますが、その場合は保険料(後期高齢者支援分、介護分)の減額はないそうです。

幼児教育・保育の保育所及び認定こども園の保育料が無償
保育幼稚園課に申請しないといけないようです。

高校生等奨学給付金の受給
教育総務課に申請しないといけないようです。

高齢者の要介護対象工事の助成割合の増額
介護保険課に申請しないといけないようです。

介護保険施設、ショートステイを利用するなど介護保険の負担額の減額
介護保険課に申請しないといけないようです。

医療費の自己負担限度額(高額療養費)の低減
金沢市の医療保険課に申請ですが、国民健康保険料の時に標準負担額減額認定証を申請してあれば、別途申請は不要のようです。
健保の場合も減額制度があります。協会けんぽでは加入者本人が非課税であれば、本人及び扶養者の高額療養費が減額されます。協会けんぽに標準負担額減額認定の申請が必要です。

自立支援医療(精神通院医療)の自己負担額の減額
福祉と健康の総合窓口か福祉健康センターで申請が必要です。非課税世帯だからといっても傷害年金が多い場合など、必ずしも減額されるという事でもないようです。

精神に障害のある人のいる世帯のNHK受信料が免除
福祉と健康の総合窓口か福祉健康センターで申請が必要です。

がん検診の受診料金の免除
受診の窓口で口頭で申告すれば良いようです。国保の人はすこやか検診の受診料金も免除です。
健保での検診については非課税世帯であることは関係ないようです。

高等教育(所定の大学、短期大学、高等専門学校、専門学校)の授業料や入学金の免除・減額
各機関で申請が必要です。

入院時の食事代が減免
金沢市の医療保険課に申請です。標準負担額減額認定証があれば申請が不要のようです。
健保の場合も減額制度があります。協会けんぽでは加入者本人が非課税であれば、本人及び扶養者の入院時の食事代が減額されます。協会けんぽに標準負担額減額認定の申請が必要です。

2021年7月24日

年金と住民税との関係を調べてみました。
国民年金や厚生年金は雑所得となり課税の対象になります。
障害年金や遺族年金は非課税です。
住民税は市町村によって違います。

金沢市の公式サイトによると、年金収入だけで、配偶者に収入が無いと仮定すると
65歳以上で配偶者のいる方 : 2,030,000円以下
65歳以上で配偶者のいない方 : 1,520,000円以下
65歳未満で配偶者のいる方 : 1,606,667円以下
65歳未満で配偶者のいない方 : 1.020,000円以下
が住民税非課税の目安だと掲載されています

公的年金控除についてですが、
65歳未満で、年金以外の所得が年間1000万円以下の場合で、受け取る年金額が130万円以下の人は60万円が公的年金控除となり、受け取る年金額が130万円超410万円以下の人は「受け取る年金額」×0.25+27.5万円が公的年金控除となります。
65歳以上で、受け取る年金額が330万円未満の人は110万円が公的年金控除となります。

一般的には65歳より年金が支給されるので65才以上で検証してみます。

65歳以上で配偶者のいる人が 2,030,000円の年金収入があるとすると、公的年金控除が110万円で、基礎控除48万円、配偶者控除33万円(配偶者が70才以上は38万円)、それに社会保険控除、医療費控除、生命保険控除(最高6.3万円)、地震保険料控除(最高2.5万円)を加えた金額が一般的な控除の合計になります。
社会保険料の計算は2,030,000円の年金収入の場合は2,030,000円-1,100,000円=930,000円が所得になるので所得割分が930,000×10%+世帯割(平等割)分28,560+加入者2人(均等割)分34,320*2=190,200円が社会保険控除になります。つまり生命保険と地震保険料を入れなくても2,100,200円が住民税の控除の合計になります。
2,030,000円と2,100,200円の70,200円の差額があります。

65歳以上で配偶者のいない人は1,520,000円の年金収入があるとすると、公的年金控除が110万円で、基礎控除48万円、それに社会保険控除、医療費控除、生命保険控除(最高6.3万円)、地震保険料控除(最高2.5万円)を加えた金額が一般的な控除の合計になります。
社会保険料の計算は1,520,000円の年金収入の場合は1,520,000円-1,100,000円=420,000円が所得になるので所得割分が420,000×10%+世帯割(平等割)分28,560+加入者1人(均等割)分34,320=104,880円が社会保険控除になります。つまり生命保険と地震保険料を入れなくても1,684,880円が住民税の控除の合計になります。
1,520,000円と1,684,880円の164,880円の差額があります。

金沢市の市民税課にメールで問い合わせしました。

2021年7月27日

金沢市の市民税課より返答がありました。

・本人のみ(扶養や配偶者がいない方)は合計所得(控除適用前の金額)が42万円以下の場合は均等割はかかりません。
・配偶者や扶養がいらっしゃる方は(本人+配偶者+扶養親族の合計人数)×32万+29万をした金額以下の合計所得であれば均等割がかからなくなります。

これらの金額を超えていると均等割(5500円)が発生し、非課税ではなくなります。
参考資料 https://www4.city.kanazawa.lg.jp/s/13080/kojinn/hikazei/hikazei.html 
 今回の場合、年金収入のみで配偶者ありですので計算式は(1+1+0)×32万+29万=93万になりますので公的年金控除後の金額が93万円を超える場合、社会保険料控除などを適用した金額がいくらであっても5500円が発生し非課税でなくなります。よって公的年金控除適用前の金額(収入)が203万円(93万+110万)以下なら非課税になります。収入が210万円だと公的年金控除を適用すると100万円となり93万円を超え5500円が発生するので非課税ではありません。 
同じように配偶者がいない場合は、計算式より42万円以下は非課税になるので公的年金収入が152万円を超えると非課税になりません。

合計所得は、65才以上で公的年金が110万円以下だと公的年金分としては0円です。

65才以上の単身者で他に扶養親族がいない人が公的年金のみの収入の場合は、公的年金152万円の人は
152万円-公的年金控除110万円-42万=0
なので住民税均等割が0になり住民税非課税になります。

65才以上の配偶者がいる人で他に扶養親族がいない人が公的年金のみの収入の場合は、公的年金203万円の人は
203万円-公的年金控除110万円-(本人+配偶者+扶養親族の合計人数)×32万円-29万円=203万円-110万円-2×32万円-29万=0円
なので住民税均等割が0になり住民税非課税になります。

国民年金だけだと満額の支給額は780,900円なので全額が公的年金控除になります。

65歳以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている人(65才以上で年金が110万円以下で、現在でも給与を受け取っている人は、かなり特殊だとは思います)で、住民税非課税の条件に該当しそうな人は、給与の年額から給与控除55万円を差し引いた額が合計所得になります。
つまり
65歳以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている単身者で給与の年額が97万円(42万円+55万円)以下の人は住民税非課税になります。
65歳以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている妻帯者(扶養者が配偶者のみ)で給与の年額が148万円(2×32万円+29万円+55万円)以下の人は住民税非課税になります。

障害者の場合は、別途26万円の控除の加算があるようです。
つまり、障害者で単身者で65才未満の場合、障害年金は元々非課税で、給与所得が給与控除55万円を超える分が所得となって、それと、その他の所得(不動産の賃貸などの不動産所得)の合計が68万円(42万円+26万円)までは住民税非課税です。
不動産所得は家賃収入から必要経費(固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費)を引いた額です。

2022年12月13日

扶養控除の対象となる条件を調べてみました。
・16歳以上の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)
・納税者と生計を一にしている(生活の財源が同じであれば、同居・別居は問わない)
・年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は年収103万円以下)である
・事業専従者でないこと
※16歳未満の扶養親族については、児童手当の対象になったことに伴い、扶養控除の対象外になっています。

住民税の扶養対象の親族の合計所得とは
・65歳未満の親族の場合
(給与-55万円)+(年金年額-70万円)
・65歳以上の親族がいて、その方の年金受給額が158万円以下の場合
(給与-55万円)+(年金年額-120万円)

所得に含まれないもの
・遺族年金、失業給付金等の非課税所得
・源泉分離課税の対象となる預貯金の利子等の所得
・源泉徴収口座で申告しないことを選択した株式等の譲渡所得
・申告不要の少額配当金を申告しない場合
・特定公社債等の利子を申告しない場合
・非居住者の分離課税の国内源泉所得および国外源泉所得

蛇足ですが、社会保険の扶養者の条件は、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。
ちょっと紛らわしいですね。
ちなみに国保の場合は扶養という概念はありません。
国保を利用する人は全員(生活保護受給者は免除)、保険料を支払わなくてはいけません。

2022年12月14日

ちょっと整理してまとめてみました。

住民税について
給与収入がある人で配偶者や扶養親族のいない人は、合計所得金額(収入-給与所得控除55万円)が42万円以下なら住民税の均等割がかからないです。
2020年から給与収入がある人で扶養親族のいる人は、合計所得金額(収入-給与所得控除55万円)が「(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)×32万円+29万円」以下なら住民税の均等割がかからないに変更になりました。

均等割がかからない人は住民税が非課税になります。
世帯の全員の人が住民税非課税であれば非課税世帯になります。

年金を受け取っている人の住民税について調べてみました。
国民年金や厚生年金及び年金基金は雑所得となり課税の対象になります。
年金は雑所得になりますが、公的年金控除を差し引いた額が所得金額になります。
公的年金控除は2020年から65歳未満は最低60万円、65歳以上は最低110万円です。
65才以上で年金額が110万円以下だと所得金額は0円です。
国民年金だけだと満額の支給額は780,900円なので全額が公的年金控除になります。

所得に含まれないもの(非課税の所得)
・遺族年金、失業給付金等の非課税所得
・源泉分離課税の対象となる預貯金の利子等の所得
・源泉徴収口座で申告しないことを選択した株式等の譲渡所得
・申告不要の少額配当金を申告しない場合
・特定公社債等の利子を申告しない場合
・非居住者の分離課税の国内源泉所得および国外源泉所得

住民税は市町村によって違います。
金沢市の公式サイトによると、年金収入だけで、配偶者に収入が無いと仮定すると
65歳以上で配偶者のいる方 : 2,030,000円以下
65歳以上で配偶者のいない方 : 1,520,000円以下
65歳未満で配偶者のいる方 : 1,606,667円以下
65歳未満で配偶者のいない方 : 1.020,000円以下
が住民税非課税の目安だと掲載されています

住民税の均等割について
・本人のみ(扶養や配偶者がいない方)は合計所得(控除適用前の金額)が42万円以下の場合は均等割はかかりません。
・配偶者や扶養がいらっしゃる方は(本人+配偶者+扶養親族の合計人数)×32万+29万をした金額以下の合計所得であれば均等割がかからなくなります。

65才以上の単身者で他に扶養親族がいない人が公的年金のみの収入の場合は、公的年金152万円の人は
152万円-公的年金控除110万円-42万=0
なので住民税均等割が0になり住民税非課税になります。社会保険料の金額がいくらであっても関係ありません。

65才以上の配偶者がいる人で他に扶養親族がいない人が公的年金のみの収入の場合は、公的年金203万円の人は
203万円-公的年金控除110万円-(本人+配偶者+扶養親族の合計人数 2)×32万円ー29万円=0
なので住民税均等割が0になり住民税非課税になります。

65歳以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている人(65才以上で年金が110万円以下で、現在でも給与を受け取っている人は、かなり特殊だとは思います)で、住民税非課税の条件に該当しそうな人は、年金による所得は0円なので、給与の年額から給与控除55万円を差し引いた額が合計所得になります。
つまり
65歳以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている単身者で給与の年額が97万円(42万円+55万円)以下の人は住民税非課税になります。

65歳以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている妻帯者(扶養者が配偶者のみ)が給与の年額が148万円(給与控除55万円+2×32万円+29万円)以下の場合は住民税非課税になります。

障害者の場合は、別途26万円の控除の加算があるようです。
つまり、障害者で単身者で65才未満の場合、障害年金は元々非課税で、給与所得が給与控除55万円を超える分が所得となって、それと、その他の所得(不動産の賃貸などの不動産所得)の合計が68万円(42万円+26万円)までは住民税非課税です。
不動産所得は家賃収入から必要経費(固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費)を引いた額です。

扶養控除の対象となる条件を調べてみました。
・16歳以上の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)
・納税者と生計を一にしている(生活の財源が同じであれば、同居・別居は問わない)
・年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は年収103万円以下)である
・事業専従者でないこと
※16歳未満の扶養親族については、児童手当の対象になったことに伴い、扶養控除の対象外になっています。

扶養対象の親族の合計所得とは
・65歳未満の親族の場合
(給与-55万円)+(年金年額-70万円)
・65歳以上の親族がいて、その方の年金受給額が158万円以下の場合
(給与-55万円)+(年金年額-120万円)

住民税の非課税控除の対象になる配偶者について
・配偶者控除の対象者(合計所得金額が48万円以下の方)であれば、32万円の控除対象配偶者の対象となりますが、
配偶者特別控除の対象者(合計所得金額が48万円を超える方で133万円以下の方)は、32万円の控除対象配偶者の対象となりません。
・お互いに配偶者控除の対象者(合計所得金額が48万円以下の方)であれば、夫婦で夫は妻を、妻も夫を、お互い両方とも配偶者を控除対象にできます。
・自営業で青色事業専従者給与の支払いを受けている方は、配偶者控除の対象とはなりません。
・逆に、自営業で青色事業専従者給与の支払いを受けている方は、事業主である配偶者が所得の条件を満たせば、事業主を控除対象配偶者とすることができます。
・妻および夫が、他の人の扶養親族となっている場合は、配偶者控除の対象とすることができません。逆に、配偶者控除の対象になっている場合は、他の人は扶養控除の対象とすることができません。

住民税非課税の扶養対象 その他
・16歳未満の親族は、国税などでは控除対象扶養親族にはなりませんが、非課税限度額の扶養親族の人数((本人+配偶者+扶養親族の合計)×32万)としてカウントできます。

介護サービスの負担金って貯蓄によっても変わる

ネットを見てたら、法改正で老親の介護コスト急増って記事が出ていたので、見てみると、介護の負担金は所得だけではなく、貯蓄額によっても変わってくるという内容でした。
全く知りませんでした。

令和2021年8月利用分から
高齢者施設の食費・居住費について、非課税世帯の減免要件に、その他の合計所得金額と年金収入額の合計に加えて貯蓄額が対象になりました。
第1段階
世帯全員が市民税非課税で、老齢福祉年金受給者及び生活保護受給者
預貯金等が1,000万円以下の人(夫婦で2,000万以下の人)
第2段階
世帯全員が市民税非課税で、その他の合計所得金額(給与の場合は給与控除を引いた額)と年金収入額の合計が80万円以下の人
預貯金等が650万円以下の人(夫婦で1,650万円以下の人)
第3段階(1)
世帯全員が市民税非課税で、その他の合計所得金額(給与の場合は給与控除を引いた額)と年金収入額の合計が80万円超120万円以下の人
預貯金等が550万円以下の人(夫婦で1,550万円以下の人)
第3段階(2)
世帯全員が市民税非課税で、その他の合計所得金額(給与の場合は給与控除を引いた額)と年金収入額の合計が120万円を超える人
預貯金等が500万円以下の人(夫婦で1,500万円以下の人)

預貯金等とは、預貯金(普通・定期)、有価証券(株式・国債・地方債・投資信託など)、金・銀(積立購入を含む)など貴金属 、現金(タンス預金)も含むようです。

生命保険、自動車、宝石、絵画、骨董品など、時価評価額の把握が難しいものは対象外なので、財産をそういうものに変えておくのも対策でしょうし、葬儀代の予約と事前支払い、司法書士の予約と報酬の前払いなど利用するのもありのようです。

2017年の改正では介護サービスについて
同一世帯の65才以上の人数が1人の場合は前年の合計所得金額と前年の年金収入の合計が年間340万円以上(但し前年の合計所得が220万円未満の人は含まず)の人が3割負担になりました。
同一世帯の65才以上の人数が2人以上の場合は前年の合計所得金額と前年の年金収入の合計が年間463万円以上(但し前年の合計所得が220万円未満の人は含まず)の人が3割負担です。

65才未満の人や市民税非課税の人は介護サービスが1割負担です。
65才以上で、前年の合計所得金額(年金収入は含まず)が160万円未満の人では、介護サービスが1割負担です。
65才以上で、同一世帯の65才以上の人数が1人の場合は前年の合計所得金額と前年の年金収入の合計が年間280万円未満だと介護サービスが1割負担です。
65才以上で、同一世帯の65才以上の人数が2人以上の場合は前年の合計所得金額と前年の年金収入の合計が年間346万円未満だと介護サービスが1割負担です。

ちなみに、75才以上の医療費は単身者の場合は年金を合わせた収入が「年200万円以上」(課税所得28万円以上)、夫婦世帯の場合は年金を合わせた夫婦の収入が「年320万円以上」だと、2022年10月以降に医療費が2割以上になります。

国民年金 老齢年金の受給での検討課題

国民年金の老齢年金を受給するにあたって、何も考えないで受給すると、後になって、こうすれば良かったと後悔する場合があります。
受給の際には、どのように受給すれば一番お得か、検討したいものです。

国民年金が主たる年金の人にとって、基礎年金の他に、付加年金、国民年金基金をかけていた人もいるでしょうし、ある時期に会社勤めしていて厚生年金に加入していた事のある人もいると思います。

国民年金基金は65才になると必ず支払われます。繰り下げや繰り上げはできません。
国民年金基金は国民年金を繰り下げようと繰り上げようと関係なく65才になると支払われます。

厚生年金分は、国民年金分とは切り離して受給する事ができます。一般的には、国民年金分より厚生年金分のほうが先に受給する事が可能です。
国民年金は、60才まで繰り上げて受給する事ができ、70才まで繰り下げることができます。
繰り上げは1か月につき0.5%減額になり、繰り下げは1か月につき0.7%増額になります。
つまり、最高の70才まで繰り下げると42%の増額になります。
5年分(500%)を回収するには12年程度かかるという事になります。
81才まで生きて、やっと元が取れる計算になります。
まあ、途中で死んでしまったら、貰えなくなるので、早くから受給した方が安心という考えもありますが、長く生きた場合のことを考えると、繰り下げも無駄ではないと思われます。

老齢年金の受給時期での有利不利について、一番関係するのが非課税世帯に該当するかしないかの問題だと思います。
夫婦2人で生活する場合、高齢になって仕事をしなくなったり、給与が少なくなったりした時に、非課税世帯になる例が、かなりあると思います。

非課税世帯(世帯全員が住民税非課税の世帯)の優遇制度って多くて無視できません。

住民税非課税世帯になると金沢市の場合、
国民健康保険料(医療分、支援分、介護分)が減額されます。
幼稚園、保育所、認定こども園の保育料は一般には有料の0才から2才も一定金額まで無償です。
高校生等奨学給付金の受給もできます。
高齢者の要介護対象工事の助成割合が90%(限度額70万円)と増額されます。
介護保険施設、ショートステイを利用する際、利用料のほかに居住費(滞在費)及び食費の負担が申請により負担額が軽減されます。その他の介護保険の自己負担額も低減されます。
後期高齢者医療の保険料も低減されます。
医療費の自己負担限度額(高額療養費)も低減されます。
精神に障害のある人の自立支援医療(精神通院医療)の自己負担上限額が低くなります。
精神に障害のある人のいる世帯のNHK受信料が免除されます。
がん検診の受診料金、すこやか検診の料金が免除になります。
高等教育(所定の大学、短期大学、高等専門学校、専門学校)の授業料や入学金の免除・減額されます。
入院時の食事代が減免されます。

住民税が非課税になるには、
・本人のみ(扶養や配偶者がいない方)は、合計所得(控除適用前の金額)が42万円以下にする必要があります。
・配偶者や扶養がいる方は、合計所得が「(本人+配偶者+扶養親族の合計人数)×32万+29万」の計算をした金額以下にする必要があります。

合計所得とは、すべての収入から、公的年金控除110万円、給与控除55万円を差し引いた額です。不動産所得などがあればそれも加算されます。
配偶者ありで、他に扶養親族が無い場合は、合計所得が(本人1+配偶者1+扶養親族0)×32万+29万=93万以下であれば非課税になります。
配偶者が無くて他に扶養親族が無い場合は、合計所得が42万円以下であれば非課税になります。

つまり配偶者がいれば、公的年金が200万円で給与が58万でも非課税になるということです。

国民年金基金は65才になると望む望まないに関係なく収入になるので、国民年金を繰り上げ、繰り下げで調整するとか、厚生年金分の受給を繰り上げるか、繰り下げるかして調整する必要があります。

ちなみに国民年金の繰り下げは、最初は1年続けないといけないけど、1年が過ぎると、いつ繰り下げを中止してもかまいません。

代表取締役を非常勤にして健保から脱退できるか

2021年12月24日

昨今、年金財政が厳しくなり、今まで経済的な理由で社会保険に加入できなかった小さい規模の親族だけの株式会社にも、社会保険に加入するように強い圧力を加えるようになってきました。

小さい規模の同族会社にとっては、自分たちの将来を考えたら、少しでも多額な年金が保証された方が良いのは分かっているのだけど、生活できないとどうしようもないので、社会保険料を負担できなくて、仕方なく国民保険のままにしている例もあると思います。

本人が60才以上70歳未満で年金加入期間が480か月を満たしている場合では、厚生年金保険料の基礎年金部分は無駄払いになります。

会社が社会保険に加入せざるを得なくなった場合に、社会保険に加入しない方法があります。

1つは、会社を株式会社で無くする事です。株式会社でなければ社会保険に加入しなくても大丈夫です。ただし、従業員が多い場合は株式会社でなくても社会保険に加入しなければいけません。

もう1つの目の方法は、会社は社会保険に加入しても、役員であれば非常勤の役員にしてしまう事です。非常勤の役員は社会保険に加入しないで国民保険のままでも良いんです。
ただし、社長は非常勤ではいけないという事になっています。

本当に、社長は非常勤ではいけないのでしょうか?
という訳で、ネットで調べると、社長を非常勤にする事になんら問題が無いというというのが一般的な見解のようです。
https://www.soumunomori.com/forum/thread/trd-117821/
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/4539354.html
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1013718235
https://kigyosapo.com/officer-1

念のため、年金事務所に問い合わせしてきました。
年金事務所の職員が言うには、代表取締役社長は非常勤の役員になれないとの回答でした。
基本的に、年金事務所の職員が言う事は、あてになりません。
過去にも、年金事務所の職員に知識が無く間違った事を言ったり、知識が無く正確な回答ができないという事が、何度かありました。年金事務所の職員って、応対は親切なのですが、日々の業務に追われて、勉強をしていなく向上心が無い人が多いという印象があるのです。
それで、代表取締役社長は非常勤の役員になれないという主張の根拠になる文書のコピーを提出してくれるように頼みました。
今年は残り3日しか無いので、今年中に答えることができないので、来年になってから回答するという事でした。文書のコピーを郵送してくれるということでした。

ついでに健康保険を脱退して国保に加入する場合、月初めが良いのか、もし途中で切り替わった時にはデメリットがあるのか聞いてみました。
月末の状態が、反映するので、月初めであろうが、月の途中であろうが、影響は無いということでした。

ちなみに健康保険を脱退するには、社会保険事務所へ健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届を提出するだけでよく、特に添付書類は必要ありません。
健康保険を脱退して、国保に加入する場合、会社の捺印がある検討保険資格取得・喪失証明書があれば、市役所で、その日のうちに国保の保険証が発行されます。

2021年12月29日

社会保険事務所より、代表取締役社長は非常勤の役員になれないという主張の根拠になる文書のコピーと称されるものが郵送されてきました。

1つは、日本年金機構の疑義照会回答(平成23年10月公表分)で、法人の代表者の被保険者資格について、定期的に出勤しない場合でも加入したいという立場からの質問です。
これは全く根拠にはなりません。

その他に、広島高判岡山の昭和38年9月23日とのメモがありました。
ネットで検索すると原文が掲載されていました。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/687/024687_hanrei.pdf
内容を読むと法人の代表者は健康保険に加入しなくても良いかという裁判で、労災上では法人の代表者は労働者は無いと判断されているので、る労働者保険である健康保険にも加入しなくても良い事の確認です。
1審では加入しなくても良いと判決が出たけど、広島高判では逆転したという事のようです。
でもこれって、代表取締役社長は非常勤の役員になれないという根拠にはならないですよね。

結局は、代表取締役社長は非常勤の役員になれないという主張の根拠になる文書は存在しないという事だと思います。

健保において被扶養者になる要件

健保において配偶者が被扶養者になる要件というと、一般的に配偶者の収入が年額130万円未満というのは、よく知られています。
配偶者だけでなく、直系親族、子、孫及び兄弟姉妹や、それ以外の同居の3親等内の親族も同様です。以下扶養対象者と呼びます。
但し、扶養対象者が75歳になると、後期高齢者医療制度に加入になるので、被扶養者にはなれません。
ちなみに、扶養対象者が60才以上の場合や、障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は扶養対象者の収入が年額180万円未満になります。
この場合の収入とは、給与、毎月支払われる交通費、年金、不動産所得(不動産売買収入は含まれない)、障害基礎年金、障害厚生年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金雇用保険の基本手当、失業手当、健康保険の傷病手当金や出産手当金、労災保険の傷病補償給付、障害補償給付、遺族補償給付等も含みます。

ただ、要件はそれだけではありません。
扶養対象者が被保険者の収入の1/2未満である必要があります。
つまり、被保険者の収入が少ないと、扶養対象者の収入が年額130万円未満でも被扶養者になれません。

ただ、扶養対象者が被保険者と同一世帯に属している場合で、被保険者の年間収入の1/2以上でも、被保険者の年間収入を上回らない場合には、その世帯の生計の状況を果たしていると認められるときは、被扶養者となる場合があるそうです。
その点について、年金事務所に、どういう場合に、年間収入の1/2以上でも、その世帯の生計の状況を果たしていると認められるのか問い合わせしたのですが、個別に判断するという事で、目安とか基準とか、判断の基になるものは無いということでした。
つまり、同じ条件でも判断する人によって認められたり認められなかったりするそうです。
事前に判断する事は無く、申請が出されてから個別に判断するとしか答えられないという事でした。

健保において、被扶養者と認定されれば、被扶養者の保険料(年金料も含む)は負担の必要はありません。

ちなみに、健康保険料の介護保険料分については、扶養対象者が65歳になると、扶養対象者自身の負担になり、直接、市町村に支払わないといけません。

社会保険料は4月から6月の3ヶ月間の給与(通勤手当を含む)の支給額平均に基づいて決定されます。

ついでに聞いたのですが、健保加入者の被扶養者が途中で老齢年金が支給されるようになって、健保加入者の収入の1/2以上になった場合、被扶養者の要件から外れるので、今まで被扶養者だった人は国保への加入が必要になるそうです。
仮に、その後、健保加入者にも老齢年金が支給されるようになって、再び、健保加入者が、今まで被扶養者であって国保に加入した人の収入の2倍を超えた場合、以前被扶養者だった人は、また健保加入者の被扶養者に戻るそうです。