4TBのハードディスクでのWindows10の再インストールはリスクが大きい

購入して半年もたっていない息子の自作パソコンが起動しなくなりました。
BIOSのビープ音は鳴るのですが、初期画面で途中でお待ちくださいの画面が出たままフリーズするのです。

バックアップもしていないし、クローンハードディスクも作ってないし、システムイメージファイルも作ってないし、修復ディスクも作っていないとの事です。
本当に迂闊です。

Windows10のスターアップ修復でも改善しません。
システムの復元もイメージでシステムを回復もできません。
更新プログラムのアンインストールもできません。
何故か、セーフティモードから起動の入口(スタートアップ設定)が見つかりません。
同じWindows10でも違うのかなあ?

DVDドライブも外して、サブのハードディスクも外して、サウンドボードも外したのですが、状況は変わりません。2つメモリを1枚づつ外しても状況は変わりません。電源を入れ替えても状況は変わりません。

残る原因は、ハードディスクかマザーボードかCPUです。
使っていないハードディスクを取り付けてWindows10の新規インストールを試してみたら正常に動作しました。
ここでWindows10の修復ディスクを作成しました。
CrystalDiskInfoで不具合が疑われるハードディスクを調べたのですが、正常だと診断されました。

不具合のハードディスクで起動して、コマンドプロンプトでのセーフティモード起動
bcdedit /set safeboot minimal
を試してみたのですが、「ブート構成のデータストアを開けませんでした。構成レジストリ データベースが壊れています」と表示されます。
トラブルの原因はハードディスクのデータの破損に確定です。

クローンハードディスクも作ってないし、システムイメージファイルも残していないという最悪な状況でできるWindows10修復の方法を試しました。

Windows10のインストールディスクで上書きインストールを試みたのですが、Windows10のインストールディスクで起動すると、アプリやデータを保存したままの再インストールは「Windowsインストールメデイアを使ってコンピュータを起動した場合、アップグレードオプションは使用できません」と表示されて先に進めません。

システムファイルのチェックと修復をするため、不具合のあるハードディスクで起動して、コマンドプロンプトで
sfc /scannow
を試してみました。
「システム スキャンを開始しています。これには しばらく時間がかかります。
システム スキャンの検証フェーズを開始しています。
検証100%が完了しました。
Windows リソース保護は要求された操作を実行できませんでした」
と表示されました。管理者モードで実行されていないからなのかもしれません。

Windows Media Tool を使ってWindows10の再インストールを試みたのですが、USBやDVDで起動すると、アプリやデータを保存したままのインストールを選択すると、Windows10のインストールディスクの場合と同様「Windowsインストールメデイアを使ってコンピュータを起動した場合、アップグレードオプションは使用できません」と表示されて先に進めません。

全くの手詰まりです。

トラブルの起きたハードディスク(SATA)は外して、USB変換器を利用して、他のパソコンで修復することにしました。

ハードディスクのシステムの入ったパーテーションのクローンを他の予備のハードディスクのパーテーションに作ってバックアップとして保存して、Windows10のクリーンインストールをすることにしました。

トラブルがあったハードディスクのシステムのあるパーテーションをフォーマット(クイックフォーマットではない)して、Windows10のインストールすると、「このディスクにWindowsをインストールすることはできません。」との表示がでました。
詳細の表示をクリックすると「選択されたディスクはGPTのパーティションの形式ではありません」との事です。
2TB以上のハードディスクだと、MBR形式のパーテーションだと2TBしか認識しないので、GPT形式にしないとダメだという事のようです。
Windows 10をインストールメディアから起動して、再インストールしようとした場合に起きる可能性が多い現象のようです。
2015年以降ぐらいからは、ハードディスク2TBの壁を解決するために、BIOSに代わるファームウェアであるUEFI(あるいはEFI)に対応したことに端を発しているそうです。

そういう事をよく理解しないまま、パーテーションをGPT形式に変換しようと、ネットでの説明通り、
コマンドプロンプトを起動
diskpartと入力
list diskと入力
select disk 0と入力
cleanと入力
convert gptと入力
exitと入力
として、Windows10の再インストールを試してみました。
今まで、「このディスクにWindowsをインストールすることはできません。」と表示されていた箇所を突破できたのは良かったのですが、なんとハードディスクのパーテーションも全てが消えていて、データを保存していたパーテーションの中身も消えてしまったのです。ギャーえらいこっちゃ。

「EaseUS Partition Master」という無料ソフトを試してみたのですが、無料版ではパーテーションの復活はできず、途中で有料版の購入画面が表示されました。

TestDiskというパーテーションの復元ができるフリーソフトがあるというので試してみました。
4TBのハードディスクなので、パーテーションの種類を GPT用の「EFI GPT」で選択しました。
47%までは瞬間で解析するのですが、それ以降は数時間で1%とかしか解析が進まない状況です。そのまま放置していましたが、知らないうちにTestDiskの動作が中止になっていました。

ネットで調べると、紛失データを復元するという無料ソフト「EaseUS Data Recovery Wizard Free」があるという事で試してみることにしました。
最初は残り時間が短い時間で表示されていましたが、だんだん残り時間表示が延長されて、結果的に4TBのハードディスクのスキャンだけで50時間以上かかりました。
スキャンが終わって、復旧したいファイルを選んで、いざ実行すると・・・有料版の購入を求める画面が出て動作しません。なんじゃこれって感じです。
EaseUS社のサイトで調べると、Free版は2GBの上限があるって掲載されていました。
まあ仕方ないなあと思って、とりあえず使えるかどうか試そうと思って、2GBより少ない範囲内でファイルを選択して実行すると・・・やっぱり有料版の購入を求める画面が出て動作しません。
ネットで調べると、無料だと500MBの復旧しかできなくて、ユーザーが製品情報をSNSで共有すると2GBまで復旧できるようになる仕組みのようです。
仕方ないので、500MBより少ない範囲内でファイルを選択して実行すると・・・やっぱり有料版の購入を求める画面が出て動作しません。
結局、どんなに少ない量のファイルであっても有料版の購入を求める画面しか出てこないということです。
なんじゃこれ 詐欺じゃん 使った時間を返せって感じです。
EaseUS社は、クローンディスクを作るEaseUS Todo Backup Home の無料版を使った記事をブログで投稿した際に、会社へのリンクを貼ってくれたら製品版を提供するという申し出があって、ありがたく頂いた経験があったので良い印象を持っていたのです。裏切られた感じで残念でした。

TestDiskというパーテーションの復元ができるフリーソフトについて、前回はパーテーションの種類を GPT用の「EFI GPT」で選択してダメだったので、今度はMBR用の「Intel」を選択して試してみることにしました。
こちらは、それなりのスピードで処理をして数時間で解析が完了しました。
「Quick Search」を選択した結果を見て、よくわからなかったのですが、とにかくWriteの処理をしてしまいました。
結果、復旧したいデータの入った3TBのパーテーションは、RAWとか未割り当てという細かいパーテーションに区切られ、全く読めない物になってしまいました。
段々深みにはまって、復旧に遠ざかっている感じです。

世の中には偶然のラッキーというものがあるもので、MiniTool Partition Wizardというソフトの記事をブログに掲載してほしいというメールが来たのです。
この会社からは、過去に何度か依頼があったのですが、その時は必要性が無かったし、3年使用版の提供だったので、断っていたのです。それよりステマ目的の投稿はする気が無いのです。
今回はMiniTool Partition Wizardの永久使用版(プロ・アルテメット版)を提供してくれるという事でした。
ダメもとで、今回のトラブルの経過をメールで送ったら、MiniTool Partition Wizardでデータの復旧ができるということでした。
調べてみると、MiniTool Partition Wizardの永久使用版(プロ・アルテメット版)は税込15069円して、しかもパーテーション復元とデータ復元の機能が新たに導入されたという事です。
「なんという事なんでしょう」信じられないくらい幸運な事です。

さっそく依頼を引き受けて、試してみました。
https://www.partitionwizard.jp/partition-magic-free.html
からプロ版の無料お試しをダウンロードして、いただいた製品ライセンスのキーを入力して、いざ実行です。
選択したパーテーション(976.33GB RAW 正常プライマリーパテーション)のスキャンに半日以上かかりました。スキャンにかかる時間は最初に表示される残り時間とほぼ一致していました。
スキャンの結果、見事にフォルダ名やファイル名、サイズ、作成日時、更新日が表示されています。
×削除されたファイル紛失されたファイルRawファイル の表示もあります。
該当するデータをダブルクイックすると、巨大な容量のファイル以外はプレビューできました。
スキャンできたファイルは、合計56501個で2.750TBありました。パーテーションの容量の3番近くあります。
よく考えたら、パーテーションを壊す前のデータのパーテーションのデータはそれくらいあったような気がします。どうも選択したパーテーションだけではなくて、それに関わりのあるデータの全てをスキャンしたようです。
復旧したいデータにチェックを入れたら1.2TBありました。
LAN接続の3つのハードディスクの内、1つのハードディスクには空き容量が多かったので、それに復旧データを保存しようと思っていたのですが、そのハードディスクだけMiniTool Partition Wizard側から認識されませんでした。
それで、随分悩んだのですが、テレビ録画用に使っていた外付けのハードディスク2TBを利用する事にしました。
ハードディスクをPC用にフォーマット(コントロールパネル・・・管理ツール・・・コンピュータの管理・・・ディスクの管理)してみましたがエクスプローラで認識しません。MiniTool Partition Wizard側からも認識されません。
コントロールパネル・・・管理ツール・・・コンピュータの管理・・・ディスクの管理
で、該当のパーテーションを右クリックしてドライブパスと文字の変更で、エクスプローラーでも、MiniTool Partition Wizard側からも認識できるようになりました。
復旧したデータ1.2TBを外付けのUSBハードディスクに保存するのにも25時間かかりました。
時間は、いっぱいかかったけど、完璧にデータの復旧ができました。

念のために、すべてのパーテーションに必要なデータが残っていないか調べてみました。
システムが入ったパーテーション(未割り当て扱いになっていた)にはユーザーのフォルダ(ダウンロード、ドキュメント、ピクチャ、ビデオ、ミュージック)が入っていて、4.82Gで1275個のファイルが復旧できました。

結果的に救出したかったデータの全てを復旧できたという事になります。MiniTool Partition Wizardに感謝です。
業者に頼んだら最低でも4万円以上かかります。

今回の原因は、データのパーテーションを残したまま、Windows10の再インストールを行ったために起きたトラブルのようです。
データのパーテーションの中身を他のハードディスクにバックアップして、すべてのパーテーションを設定しなおしてからWindows10を新規インストールしなければいけなかったのです。

遡って考えるに、4TBという大容量のハードディスクにシステムとデータの両方のパーテーションを設置したことです。

それに加えて、UEFIブートに対応しているマザーボードで使用していた3TBのパーテーションを、GPTパーティションを認識できないマザーボードのパソコンで修復しようとした事が問題を深くしてしまったのだと思います。
昔のマザーボードではLegacy BIOSのみをサポートしているため、MBRパーテーションのみのサポートなのでハードディスクを2TBまでしか認識できないのです。
それ以上の容量のハードディスクを使う場合は、UEFIまたはCSMブートをサポートしているマザーボードでGPTパーティションを使わないといけないのです。
そういう事を全く知りませんでした。勉強になりました。

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