コミュニティビジネス起業塾の2日目に行ってきました。
今日は実際に起業した2人の経験談を聞くと言う内容でした。
2人の内、1人は補助金を利用して、経費をことごとく圧縮して地域に密着した事業展開をしている例でした。お金を使わないで事業するコツを事細かに紹介されていました。
手続き、ホームページ、チラシなど自分でできる事は全部自分ですればお金がかからないということです。
手続き関係は、ネットでほとんどの書類がダウンロードできて、窓口で相談すれば、予約制にはなるけれど丁寧に教えてくれるということです。
事務所開設などは探せば安くできる方法はいくらでも見つかるということでした。
机や椅子は石川県で捨てるのを貰って使ったとか、チラシは3000枚程度だと1万円くらいで出来るとか、文房具は100円ショップで購入するとか、事務所も公の施設の一角で無料で借りられたとかなどなど。
開業資金はほぼかからなかったそうです。
ホームページ作成には「SIRIUS」が初心者でも使えるし推薦ということでした。
ちょっとネットで調べてみましたが、スマートフォン対応でSEO対策にも優れているようです。ブログ(MovableTypeやWordpress)っぽいサイトになるので個性は出しにくいと思います。でもメリットはあるので購入してみようかなと思いました。「SIRIUS」は販売網は無く、ネットで直接申し込みだけのようです。
IP電話だと月額500円で使えるとか、クレジット決済はスクエアだと無料で利用できるとか、会員管理ソフトや会計ソフトもフリーソフトを使って無料で利用できる、法人カードが必要な場合にはライフだと取得しやすいなど、興味深かったです。
お金をかけないで広告するもっとも効果的なのはチラシのポスティングということでした。特に土曜日午後と日曜日にポスティングするのが有効という事でした。
新聞折込は新聞自体が60%の占有率しかないし、折り込み広告を見る人も少ないので、投資するお金の割に効果が薄く、雑誌も見る人が限られているので、チラシのポスティングのほうが効果的だということでした。ちなみに、この事業は地域限定の事業だったのでチラシのポスティングが最も有効だったという面もあるのだと思います。
マーケッティングの調査には、実際に問い合わせて情報収集をすることが重要ですが、こちらのほうから面識の無い人に直接アクションを起こして聞いても、答えてくれる人がほとんどいないのが実情だそうです。問い合わせがあった時に、いろんな事を聞いてみて情報を集めるのが良いということです。
小さく始めて、業務を続けていくと、いろいろと要望とかがあり、それに応じて段々事業の内容を増やしていくのが良いという事でした。事業の内容を増やしていくと失敗もする内容もあるけれど、事業の収入源を複数確保していくと、本業を続けて行くのに有利ということでした。
高齢者相手の業務は需要が多いけど、スタッフ集めには苦労するとの事でした。若い子は仕事中に汚い事があったりすると続かないし、60代以降はセクハラ問題(職員が被害を受ける)が起きやすく危ないそうです。結局40代、50代のスタッフが長く携わっていけるということです。
マスコミのニュースとかで保育所に入所できないとか報じられて、幼児を対象にした業務を企画した時も大外れだったそうです。待機児童の問題は東京だけで、その他の地域では待機児童は、ほぼ存在しないので人数が集まらなかったそうです。そういう意味でも、マーケッティングの調査は大切だということです。金沢市は情報公開がかなり進んでいて、ネットからでも入手できる情報が多いので、そういうのを利用するのが重要だという事でした。
石川県のイベントなどの下請けは、補助金がつくなど利益が出そうな美味しいものはコネや県議会議員の口利きがないとさせて貰えなく、そういうのが無い場合は、儲けがでないどころか赤字が出るようなものばかりなので、県のイベントをやったとかの実績を信用つけに利用する以外は関わらない方が良いとの事でした。さもありなんって感じです。
補助金を使った事によって事業の活動地域の範囲に制限がかかってしまったという事業の制約が出来てしまったというデメリットも紹介されていました。
楽天との付き合いにおいて、楽天って売れそうなものを持っている場合は、楽天からオファーが来ることも多いそうです。オファーが来た時に、出品や出店すれば、かなり安く良い条件で出品や出店ができるけど、オファーがあった時以外に出品や出店すると経費が高くなるので注意が必要ということでした。そういう意味でもネットでの情報発信というのは効果があるとの事でした。
その事業所が非営利の法人だというので、非営利の法人ってどういうものか調べてみました。
NPOでいう「非営利」とは、実は利益の分配をしないという意味で、余ったお金を社員(従業員のことではなく会員のことをこういいます)で分けてはいけない、と規定されています。活動が順調に行って、決算したらお金が増えたら、次の期に繰り越すか、またはそのお金を使ってさらに社会貢献しなければいけないということのようです。その見返りとして非課税になっているようです。
もう1人は補助金を利用しなくて、最初の投資をそれなりにして将来的には全国的な事業展開を考えているという話でした。
目標を大きく持って、できるためにどうするかを考えるのが重要で、仮説で数字を出して事業のシュミレーションを行うのが大切だということです。
その数字の根拠を確認するために、似たお店の集客状況などを調査し役立てるのが有効だということです。
飲食店は、忙しい時間と暇な時間の差が大きく、人員の有効活用のためにインタネットでの販売も有効だということです。
マスコミの情報発信を利用するために、実際にマスコミに足を運んで、取材を頼めば地元のマスコミだと取材してくれる事も多いそうです。
オープン時の試食パーティなど、広く招待するとそういうことも宣伝になるとの事です。
補助金を貰うと事業の内容に制約がかかり自分のしたい事が自由に出来なくなるので利用しなかったそうです。
ちなみに、広坂の人通りの多いビルの2階に小さな店舗を借りてオープンするにあたり開店資金は1千万円を要したということでした。
両極端な2人の企業体験談を聞けて、とても参考になりました。ちなみに2人とも順調な会社員生活をしていたのにも関わらず自分のしたい事をしたいという熱い熱意があったという事が共通していました。起業には夢と熱意が最も大切だという実例の紹介でした。
その後、先週同様、自分が考える事業における地域の課題の想定、自分の事業を行う事によるあるべき姿、自分が取り組む事業で必要な人脈、これからどういう方法で地域のネットワークの構築を行っていけば良いのかというテーマについて、レポートを書いて3人から4人のグループでデスカッション形式で発表するというのがありました。こちらも、みんなで「出来る!出来る!」と大きな声で励ますのがお約束でした。