家賃を2割下げる方法 日向咲嗣著を読みました。
土地の価格が長期的に下がり続けているという事は、よく聞く事ですが、その割には家賃って変わっていないですよね。
それでもテナントなどは家賃が下がっていて、6か月無料なんて物件も随分あったりするそうです。
それほど下がっていない状況が続いた住宅の賃貸物件も、リーマンショック・東北地震などがあり、人口の減少も顕著になった今、シングルルームを中心に、賃貸が安くなった物件が増えてきているようです。
でも家賃が安くなっているのは、新たに賃貸する場合に限られていて、従来から住み続けている人は昔のままの家賃というのが多いようです。
大家にとっては、空き室になる事が一番困る事なので、値引き交渉すればむげに断る事もないようです。
ただ根拠無しに値段を下げて欲しいというのは効果が薄いようです。まずは自分が住んでいる部屋と同等な物件の家賃はいくらくらいか調べることが重要です。
家賃の調査は、今ではインターネットの賃貸住宅専門の検索サイトで楽に調べることができます。
場合によっては自分の住んでいる建物の他の部屋の家賃まで引っかかる事もあります。その場合は、その部屋に引っ越すという方法もあります。最近では敷金礼金が無料という物件も増えているので、意外に移転費用がからない場合も多いようです。
検索の場合は、あまり条件を絞らないほうが良い物件を探せるので、最初は地域と広さだけから検索するのが良いようです。最初は検索にひっかかる物件が多くて見るのが大変ですが、次回からは公開してからの日数で検索すると新しい情報だけが得られます。
不動産屋に行って調べるより、ネットで自分の希望する条件に合致した物件を探して案内してもらうほうが、わざと条件に合わない物件に案内されることが無く効率よく物件を選べます。
検索サイトで、同じ値段なのに。飛びぬけて新しかったり格安だったり、広かったりする物件はオトリの可能性もあり、同じ物件が複数のサイトから出ていない場合はオトリの可能性があるそうです。
敷金や管理費・更新料・清掃費など条件が違う物件を比較する場合は4年間借りた場合に支払う総額で比較すると良いです。
契約あっても、不増額の特約が無い場合は中途での値下げ要求の権利は法律(借地借家法第32条1項)で保証されている。やだし、近隣にある同じような建物の家賃に比較して不相当に高いなどの状況がある場合に限られます。
値引き交渉において交渉決裂になって困るのは空き室になってしまう大家のほうです。
ただ引っ越しには、敷金・礼金・不動産仲介手数料・引越費用がかかるので、このまま住んだほうが良いか引越したほうが良いかは2年間にかかる住居費総額(今まで住んでいた物件の24か月分の家賃+更新料)で比較すると良いです。
契約更新の案内が来た時に、文書で家賃減額請求の用件を書いた手紙を送るのが、最も有効な値引き交渉のようです。その場合、近隣同種の物件の家賃を根拠に希望額を明記する事が重要のようです。同じ建物内の物件の家賃の値引き交渉の場合は、はっきりとした事例をあげて交渉するのが良いですが、近隣同種の物件のデータで交渉する場合は、言い逃れされる可能性が多いため、はっきりとした事例を出さないのが鉄則だそうです。
交渉に対して、大家側からの返答がなかったり、ゼロ回答の場合は裁判所に家賃減額請求の調停申し込みをする方法があります。申し立て手続きは簡単で費用も安い(数千円)そうです。
調停に持ち込む前に、調停の申し立てをする旨を通告するのが良いです。その時点で解決することも多い。
大家側が裁判所の調停に出てこない場合は、更新の契約書に印を押さないで、家賃だけ払えば自動更新になり、更新料は払わなくても良いです。それ以降は期限の定めの無い契約となるので今後は更新料は払う必要が無くなります。
契約書に印を押さない場合は、出て行かなければいけないと不安を感じるかもしれませんが、そういう事は全くありません。
ただし、期限の定めの無い契約になると、借主が引越する場合には、3か月前からの通知が必要になります。
ちなみに、更新料は大家のためではなく不動産屋の収入という面が大きいようです。
でも、賃貸物件の供給が需要を上回っている現状からすると、将来的には更新料は無くなる運命にあるようです。
結論として、根拠のない家賃の値引き交渉は効果が小さく、長く住み続けて客観的に家賃が高い場合には値引き交渉は有効ですよという事です。
2006年から2007年にはミニバブルが起きて、都市部では賃貸住宅の家賃・不動産価格ともに急上昇しましたが2008年のリーマンショックで吹っ飛びました。
ボロ物件を購入して不動産収入を得るという本は2008年からのものが多いのはリーマンショックで物件が暴落して安く買えて、金利が安かった事も大きなポイントだったのでしょうね。
中古物件を購入しようとする場合は、売り出してからどれくらいの期間が経過しているかで高いか安いか決まると言っても良く、気になる物件をウォッチリストに登録して経過を見ると、どういう物件がどのような価格が適正であるか、判断する目が養われるようです。
「家賃を2割下げる方法 日向咲嗣著」は読む価値のある本だと思いました。
コメントする