交通事故被害における賠償請求

家族が交通事故の被害や加害の立場になった時に、損保会社と交渉した事を記録しています。

交通事故の自由診療は保険診療より高い

交通事故での自由診療と保険診療について調べてみました。
交通事故で自由診療にした場合、保険で診療する場合より医療費が高額になるそうです。普通診療内容によって点数が決められ保険診療の場合は1点10円で自由診療の場合は病院によって1点あたりの15円から40円まで様々のようです。

診療について健康保険を使うかどうか判断するうえで、自由診療の場合のコストというのも重要な要素になるので、石川県立中央病院の受付で、交通事故の自由診療時の1点当たりの単価を聞いてきました。事務所の中から医事課の人が出てきたんですが、露骨に怪訝そうな顔をして応対されました。
石川県立中央病院では1点20円ということでした。

市役所の国民健康保険課に確認したところ、自由診療で受診した場合、自賠責の範囲である120万円を越えてから、途中で保険診療に切り替える事も可能で、実際そのような対応にする場合も多く、自賠責を超えた場合は、保険診療として国民健康保険は7割分は負担するということになっているそうです。

ICUの入院は1日92000円(保健医療で1点10円の場合)かかるそうですが金曜日に入院して月曜日に変わっているから3日間ですでに27万円かかっているんですね。自由診療だと2倍で54万円なので120万円なんてすぐに越えちゃうね。

病院によっては交通事故の保険診療は受け付けない病院もあるみたいです。

任意の保険会社は当然のことのように、国保や社保などの保険診療で治療するように求めてきます。

交通事故の場合は健康保険(社会健康保険や国民健康保険)で治療するのは必ずしも一般的では無いようです。

交通事故で被害者の過失が無い場合(もしくは少ない場合)には過失割合分の自己負担が無い(もしくは少ない)ので、健康保険を使う必要はありません。

交通事故の場合、通常の保険診療の1点あたりの単価10円と較べて自由診療の場合1点20円前後で設定されている場合が多いので病院としても自由診療の患者のほうが収益があがります。そういうわけで自由診療のほうが面倒見が良かったり、精密な診療を受ける場合もありますし、入院期間に違いが出る場合もあります。
慰謝料や賠償が入院期間に応じて決められる場合が多いので、そういう意味でも健康保険を使った場合に慰謝料や賠償が少なくなるという影響が出ることも有りえます。

ただし交通事故で被害者の過失割合が少なくない場合は、自賠責保険の120万円を越える費用については過失割合に応じて自己負担が出てきますし、医療費などの積極損害が120万円に満たない場合でも慰謝料を含めると120万円を越える部分については過失割合に応じて受け取れる額が減額される場合があります。

健康保険を使って治療した場合、実質的に治療費相当損害金は過失相殺の対象にならないという利点あり。過失相殺分は健康保険が負担するので、その分は実質的に賠償額が上乗せされることになる。そういう訳で、被害者の過失がある場合は健康保険を使ったほうが有利です。
つまり自賠責の120万円を超えた場合についても医療費の内、健康保険の患者負担分を除いた7割(もしくは8割)のうち、被害者の過失割合分については健康保険が負担し、残りは相手側の保険会社の負担となり、患者の自己負担分の3割(もしくは2割)についてだけ過失相殺の対象になるので被害者側において有利になります。

健康保険を使って治療した場合の自賠責の120万円以内の部分については7割(もしくは8割)はとりあえず健康保険が負担して病院に支払い、病院に支払った分を後ほど相手側の保険会社から支払いを受けるようです。

国民健康保険の場合は、1ヶ月の医療費負担の限度額があり、上限金額以上は戻ってきます。

国保の場合は、第3者の行為による被害届けを出す必要があります。
加害者の住所氏名、保険の種類や事故の状況と被害者の現況などが記入されており、損害賠償の請求状況や損害賠償金や、示談成立、請求権放棄の記入欄が空欄のままになっています。こんな書類に印鑑を押して送るのはちょっと不安です。

市役所の国民健康保険課に行って、いろいろ聞いてきました。
第3者の行為による被害届けとについたは、損害賠償の請求状況や損害賠償金や、示談成立、請求権放棄の記入欄については白紙のまま捺印するのはやめて、示談成立無し、請求権放棄無しと記入して提出することにしました。

国保の10万円越える場合の返還については、実際に患者が実費負担した金額(差額ベット代は含まず、保険で保障があれば、保障された金額より10万円越えた金額)については返還されるようですが、実際には、そんなことは、ほとんどないようです。

ちなみに自賠責の範囲内の場合は国民健康保険は立替払いということで、後ほど保険会社から7割分を支払って貰うそうです。

2006年8月2日
石川県立中央病院の医事課で確認したら交通事故の自由診療の場合、1点あたりの単価は20円だそうです。

2006年8月3日
国保の10万円越える場合の返還については、実際に患者が実費負担した金額(差額ベット代は含まず、保険で保障があれば、保障された金額より10万円越えた金額)については返還されるようですが、実際には、今回の場合、そんなことは有り得ないようです。

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