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非課税世帯の優遇制度




非課税世帯とは
非課税世帯とは、世帯全員が住民税が0円の世帯を言います。
住民税は、前年の1月から12月の所得にもとづいて税額計算が行われ、6月から翌年5月までの住民税が決定されます。 住民税は均等割と所得割の合計額になります。 均等割が0円の場合は所得割も0円になるので、均等割が0円の場合は住民税非課税になります。
非課税世帯である通知は無いようですが、非課税世帯の証明書は非課税対象の翌年の6月11日以降に発行可能です。世帯全体としての非課税世帯の証明書は存在せず、世帯全員の非課税証明書をもって非課税世帯の証明書となるようです。 なお、通常は所得の無い人は税の申告は不要ですが、非課税による優遇制度を利用する場合は世帯全員が税の申告をしないといけません。所得の無い人が税の申告をするには金沢市の市民税課で手続きを行います。
なお、金額など数字は2021年7月のデータです。毎年のように変わります。

非課税世帯の優遇制度
国民健康保険料(医療分、支援分、介護分)の減額
これは国民健康保険(後期高齢者医療も含む)の場合は、金沢市の医療保険課から問い合わせの書類が届くようです。その書類を送れば減額されるそうです。 希望すれば、標準負担額減額認定証が送られてきて、医療費の自己負担限度額などに使えるようです。
ちなみに、社会保険加入者でも非課税世帯である場合もありえますが、その場合は保険料(後期高齢者支援分、介護分)の減額はないそうです。
幼児教育・保育の保育所及び認定こども園の保育料が無償
保育幼稚園課に申請しないといけないようです。
高校生等奨学給付金の受給
教育総務課に申請しないといけないようです。
高齢者の要介護対象工事の助成割合の増額
介護保険課に申請しないといけないようです。
介護保険施設、ショートステイを利用するなど介護保険の負担額の減額
介護保険課に申請しないといけないようです。
医療費の自己負担限度額(高額療養費)の低減
金沢市の医療保険課に申請ですが、国民健康保険料の時に標準負担額減額認定証を申請してあれば、別途申請は不要のようです。
健保の場合も減額制度があります。
協会けんぽでは、世帯全体で無く加入者本人が非課税であれば、本人及び扶養者の高額療養費が減額されます。
協会けんぽへ限度額適用認定証交付の申請により窓口での支払いが減額されます。

自立支援医療(精神通院医療)の自己負担額の減額
福祉と健康の総合窓口か福祉健康センターで申請が必要です。非課税世帯だからといっても傷害年金が多い場合など、必ずしも減額されるという事でもないようです。
精神に障害のある人のいる世帯のNHK受信料が免除
福祉と健康の総合窓口か福祉健康センターで申請が必要です。
がん検診・すこやか検診の受診料金の免除
受診の窓口で口頭で申告すれば良いようです。 すこやか検診の料金も免除です。
健保での検診については非課税世帯であることは関係ないようです。
高等教育(所定の大学、短期大学、高等専門学校、専門学校)の授業料や入学金の免除・減額
各機関で申請が必要です。
入院時の食事代が減免
金沢市の医療保険課に申請です。標準負担額減額認定証があれば申請が不要のようです。
健保の場合も減額制度があります。
協会けんぽでは、加入者本人が非課税であれば、本人及び扶養者の入院時の食事代が減額されます。
協会けんぽへ限度額適用認定証交付の申請により窓口での支払いが減額されます。

住民税非課税の条件
1.生活保護法による生活扶助を受けている方
2.障害者、未成年者、ひとり親または寡婦で、前年の合計所得金額が135万円以下の人。
3.上記1,2以外で単身者(扶養や配偶者がいない人)は合計所得が42万円以下の人
4.上記1,2以外で配偶者や扶養がいる人は合計所得が(本人+配偶者+扶養親族の合計人数)×32万+29万の金額以下の人

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/s/13080/kojinn/kaisei/reiwa3kaisei/reiwa3kaisei-7.html
配偶者と扶養者が控除の対象になる条件
住民税非課税の扶養の対象となる条件は
・納税者と生計を一にしている(生活の財源が同じであれば、同居・別居は問わない)
・年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は年収103万円以下)である
・事業専従者でないこと
※16歳以上の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)16歳未満の扶養親族については、児童手当の対象になったことに伴い、扶養控除の対象外になっていますが、非課税世帯の(本人+配偶者+扶養親族の合計人数)×32万の扶養親族の人数にカウントされます。

住民税非課税控除に該当する配偶者とは
・配偶者控除の対象者(合計所得金額が48万円以下の方)であれば、32万円の控除対象配偶者の対象となります。
 ただし、自営業で青色事業専従者給与の支払いを受けている人は、配偶者控除の対象とはなりません。
 逆に、自営業で青色事業専従者給与の支払いを受けている人は、事業主である配偶者が所得の条件を満たせば、事業主を控除対象配偶者とすることができます。

・お互いに配偶者控除の対象者(合計所得金額が48万円以下の方)であれば、夫婦で夫は妻を、妻も夫を、お互い両方とも配偶者を控除対象にできます。

・妻および夫が、他の人の扶養親族となっている場合は、配偶者控除の対象とすることができません。逆に、配偶者控除の対象になっている場合は、他の人は扶養控除の対象とすることができません

合計所得とは
住民税非課税の条件として合計所得というのが出てきますが、ぴんと来ない人がほとんどだと思います。
合計所得は以下の9種類の所得の合計になります。但し、おのおのについて控除があります。
相続収入は合計所得には含まれません。
給与所得  
ボーナスなどの収入も含みます。給与所得控除額は給与の額によって違いますが、住民税非課税の判断には、給与所得控除額55万円として計算すれば良いです。
雑所得
公的年金等、原稿料などです。
公的年金の控除額は年金額によって控除額が違いますが、住民税非課税の判断には、65才以上は110万円で、65才未満は60万円として計算すれば良いです。
原稿料は必要経費を差し引くことができます。
事業所得
自営業などの収入で必要経費を差し引くことができます。
不動産所得
地代、家賃、権利金などで必要経費を差し引くことができます。
一時所得
生命保険契約の満期金、解約金など一時的に生じる所得で収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円)
※上記の1/2の金額が課税対象となります
配当所得
株式や出資の配当などで、源泉徴収を選択した場合は合計所得に含まれません。
譲渡所得
土地、建物、株式などを売った場合に生じる所得です。
土地や建物は収入金額 - 必要経費 - 特別控除(居住地の場合は3000万円) = 所得金額で長期短期で課税対象額が違います。
株式の場合は源泉徴収を選択した場合は合計所得に含まれません。
山林所得
山林を売った場合に生じる所得で収入金額-必要経費-特別控除額(最高50万円)
退職所得
退職金で(収入金額-退職所得控除額)×1/2が所得になります。かなり控除が大きいです。

・65歳未満の方の場合
(給与-55万円)+(年金年額-70万円)
・65歳以上の方で年金受給額が158万円以下の場合
(給与-55万円)+(年金年額-120万円)

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/s/13080/kojinn/yougo/yougo.html#goukeishotoku
年金と住民税非課税
65才未満で、年金以外の所得が年間1000万円以下の場合で、受け取る年金額が130万円以下の人は60万円が公的年金控除となり、受け取る年金額が130万円超410万円以下の人は「受け取る年金額」×0.25+27.5万円が公的年金控除となります。
65才以上で、受け取る年金額が330万円未満の人は110万円が公的年金控除となります。

65才以上の配偶者がいる人で他に扶養親族がいない人が公的年金のみの収入の場合は、公的年金203万円の人は 203万円-公的年金控除110万円-(本人+配偶者+扶養親族の合計人数)×32万円ー29万円=0 なので住民税均等割が0になり住民税非課税になります。

65才以上の単身者で他に扶養親族がいない人が公的年金のみの収入の場合は、公的年金152万円の人は 152万円-公的年金控除110万円-単身者の非課税所得42万=0 なので住民税均等割が0になり住民税非課税になります。

65才未満の配偶者がいる人で他に扶養親族がいない人が公的年金のみの収入の場合は、公的年金1,606,667円の人は1,606,667円-公的年金控除(1,606,667×0.25+275000円)-(本人+配偶者+扶養親族の合計人数)×32万円ー29万円=0 なので住民税均等割が0になり住民税非課税になります。

65才以上の単身者で他に扶養親族がいない人が公的年金のみの収入の場合は、公的年金102万円の人は 102万円-公的年金控除60万円-単身者の非課税所得42万円=0 なので住民税均等割が0になり住民税非課税になります。

国民年金が主たる年金の人にとって、基礎年金の他に、付加年金、国民年金基金をかけていた人もいるでしょうし、ある時期に会社勤めしていて厚生年金に加入していた事のある人もいると思います。その全ての合計が年金額です。

https://www4.city.kanazawa.lg.jp/qa/13080/FAQ432.html
給与収入と年金収入がある人の住民税非課税限度
65才以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている人(65才以上で年金が110万円以下で、現在でも給与を受け取っている人は、かなり特殊だとは思います)で、住民税非課税の条件に該当しそうな人は、給与の年額から給与控除55万円を差し引いた額が合計所得になります。
つまり
65才以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている単身者給与の年額が97万円(42万円+55万円)以下の人は住民税非課税になります。
65才以上で公的年金が110万円以下で給与を受け取っている妻帯者(扶養対象者が配偶者のみ)で給与の年額が148万円(2×32万円+29万円+55万円)以下の人は住民税非課税になります。
65才未満で公的年金が60万円以下で給与を受け取っている単身者給与の年額が97万円(42万円+55万円)以下の人は住民税非課税になります。
65才未満で公的年金が60万円以下で給与を受け取っている妻帯者(扶養対象者が配偶者のみ)で給与の年額が148万円(2×32万円+29万円+55万円)以下の人は住民税非課税になります。
国民年金はいつから受給するのが良いのか
老齢年金の受給時期での有利不利について、一番関係するのが非課税世帯に該当するかしないかの問題だと思います。
夫婦2人で生活する場合、高齢になって仕事をしなくなったり、給与が少なくなったりした時に、非課税世帯になる例が、かなりあると思います。

国民年金が主たる年金の人にとって、基礎年金の他に、付加年金、国民年金基金をかけていた人もいるでしょうし、ある時期に会社勤めしていて厚生年金に加入していた事のある人もいると思います。

国民年金基金は65才になると必ず支払われます。繰り下げや繰り上げはできません。
国民年金基金は国民年金を繰り下げようと繰り上げようと関係なく65才になると支払われます。

厚生年金分は、国民年金分とは切り離して受給する事ができます。一般的には、国民年金分より厚生年金分のほうが先に受給する事が可能です。
国民年金は、60才まで繰り上げて受給する事ができ、70才まで繰り下げることができます。
繰り上げは1か月につき0.5%減額になり、繰り下げは1か月につき0.7%増額になります。
つまり、最高の70才まで繰り下げると42%の増額になります。
5年分(500%)を回収するには12年程度かかるという事になります。
81才まで生きて、やっと元が取れる計算になります。

非課税世帯を目指す場合は、国民年金を繰り上げ、繰り下げで調整するとか、厚生年金分の受給を繰り上げるか、繰り下げるかして調整する必要があります。