辻家庭園(旧横山家庭園) |
辻家庭園(旧横山家庭園)は加賀藩家老の一族でもある横山男爵により別荘兼迎賓館の庭園として明治時代の末から大正時代の初期に造られました。当事、横山家は尾小屋鉱山での銅の産出により莫大な財を成し、建物を含めると現在の価値に換算すると40億円の予算で造られたそうです。京都の庭師「小川冶兵衛」によって造られた庭は英国の影響をうけており当事は数万坪の規模だったそうです。現在は庭園の中心部だけが残されているとのことです。その後、尾小屋鉱山の経営が行き詰ると共に横山家の勢いも無くなり、昭和22年に敷地は近隣に住んでいた辻家に譲られました。辻家庭園は、その後公開されることが無かったのですが、平成16年に金沢市の市指定文化財に指定され、普段は非公開ながらも金沢市の催し物の際には公開されるようになりました。今回平成20年10月5日は室生犀星記念館が主催の「犀星がみた金沢の庭」により辻家庭園を見学することができました。辻家の方の話では今後は、積極的に公開していきたいということで、予約があれば、なるべく応じていきたいということでした。 辻家の邸内に入ると、庭や医王山・犀川・市街地が一望できる座敷に案内されて辻家の方から説明がありました。庭園の見事さと共に贅を尽くした別荘兼迎賓館の建物や調度品の数々と見所がたっぷりでした。建物は釘を1本も使ってなく、柱をはじめとし木材も、その部分に適した日本で最高の木を集めて建てられたそうです。辻家の方が釣ってきた庄川の鮎で作った甘露煮をご馳走になり、いよいよ辻家庭園に入ることになりました。あいにくの小雨の中でしたが、辻家の方の案内でゆっくりと辻家の庭園を周りました。座敷から見える辻家庭園は、よく手入れされた広い庭という感じでしたが、斜面に降りると、そこは人工的なものをほどんど感じさせない自然の縮図を見ている感じでした。辻家庭園は富士山の溶岩を大量に使った岸壁や滝や渓流、池や林や洞窟など本当に山の中を散策しているかのような錯覚を覚えるほど自然に調和した庭でした。辻家庭園は庭園の中心部しか残ってないとはいえ、十分広い庭です。辻家庭園ではところどころにモミジの木もあり、紅葉の時期には一層素晴らしい景観を見られることと思います。最初は辻家の方の案内で庭を周っていたのですが、基本的には自由にゆっくりと庭園を散策させていただき、辻家の庭園を充分に満喫することができました。辻家庭園の料金は鮎の甘露煮をご馳走になったのを含めて1000円でした。 2013年12月より、辻家庭園(旧横山家の別荘兼迎賓館)は結構式場として生まれ変わりました。辻家庭園も一般公開されるようになりましたが、抹茶・和菓子付で1000円という入園料は敷居が高いです。ロケーションも含めて1000円出して見に行く価値があるかは大いに疑問です。 石川県金沢市寺町1丁目8番48号 辻家庭園の場所はこちら |