金沢市での真宗大谷派の葬儀における危篤から臨終での経過のレポートです。
危篤になったら親族に連絡
病院で医師に危篤を告げられたら、2親等以内の親族に連絡します。2親等以内の親族とは子、親、孫、祖父母、兄弟です。
自宅で病気療養中の場合は、主治医へ連絡し指示を仰ぎます。診療時間外の場合や突然倒れた場合は119で救急車を呼びます。死亡したと思われる場合でも119で救急車を呼びます。死亡したと思われる場合でも救急車は病院へ搬送するようです。死亡した場合には医師の確認が必要で、死亡診断書を書いていただかないといけません。
突然倒れた場合には警察による検視が必要な場合もあります。警察への連絡は必要に応じて病院がします。
父の場合は入浴中に心臓が停止し119で救急車を呼んだので、病院で最期を看取ったのですが、警察による現場(風呂)検証や事情聴取がありました。
遺体の処置
病院で死亡した場合、もしくは救急車で搬送されて死亡が確認された場合、病院で遺体の処置をしてくれます。身体を清潔にして、口、鼻、肛門などに脱脂綿を詰めます。静脈から血液を抜いて動脈から防腐剤を注入します。男性の場合は髭剃りや女性の場合は薄化粧もします。新しい下着を着せ病院で浴衣を着替えさせます。希望する衣装があれば、持参した服を着せていただくことも可能のようです。一般的には臨終の際に死に水を飲ませますが、浄土真宗では行わないそうです。
死亡の確認が病院で無い場合は、自分で遺体の処置を手配しないといけません。
父の場合は救急車で運ばれ、公立の病院で最期を看取ったので病院で遺体の処置をしていただきました。集中治療室の看護婦さんって大変な仕事だと思います。遺体の処置を病院ではエンゼルと呼ぶそうです。
葬儀社の選択
病院で死亡が確認されると、遺体の搬送について、どの業者に依頼するか病院から相談されます。民間の病院では利害関係のある葬儀社を紹介される場合が多いです。公の病院では公平を保つため病室ごとに一定期間ごとに交代で出入りの葬儀社を紹介する場合もあります。病院で紹介される業者はあくまでも自宅までの搬送だけの手配ということになっているので、葬儀は別の葬儀業者にお願いすることは、全く問題ないのですが、自宅に搬送してもらうと、必ず葬儀とかを持ちかけられるので実際には断り辛くなるものです。病院から紹介された葬儀業者が良い業者だったら良いのですが、そうでない場合は請求書が来たとき真っ青ということになりかねません。前もってお願いする葬儀業者を決めておくか、知った人に相談するなどして良い葬儀業者を選ぶことが望まれますし、最初から葬儀をしてもらう葬儀業者に自宅への搬送もお願いするほうが良いでしょう。葬儀社は24時間体制で受け入れ準備を整えてますので、夜中に連絡しても決して迷惑ではありません。
父の場合は公立の病院で紹介された業者が、自宅からも遠くなく、そんなに高額を請求されなくて親切だと評判の良い葬儀業者だったので、病院の看護婦さんに手配をお願いしました。
遺体の搬送
一般的には遺体の処置が終わると病院の霊安室に運ばれ、葬儀社による遺体の搬送を待ちます。その後、葬儀社が、霊柩車で遺体を自宅に搬送します。自宅に搬送しないで直接、葬儀社の葬儀場に搬送する場合もあるようです。病院を出るときは会計を済ませて、死亡診断書を忘れずに受け取ります。死亡診断書が無いと火葬などができません。
父の場合は夜に亡くなられたので、病室から直接、自宅へ搬送されました。葬儀社が来ると最初に宗派の確認がありました。真宗大谷派であることを告げました。葬儀社は遺体に絹っぽい化繊の布団をかぶせてくれて遺体をストレッチャーで車へ運びました。自分も葬儀社の搬送車に乗って遺体と一緒に自宅へ帰りました。時間外のため病院での会計は出来なかったので翌日にすることにしました。家族は警察の現場検証や座敷の整頓のため、先に自宅に帰って準備をしました。自宅に搬送されると葬儀社から葬儀はどうしますかと聞かれたので、お願いしますと答えました。
ここで他の葬儀社を選んでも問題はありません。病院と葬儀社は遺体の搬送に限っての依頼なのです。
遺体の安置
自宅に搬送した遺体は仏壇があれば、仏壇のある部屋へ北枕で寝かせますが、どうしても北枕でなければいけないという訳でもないようです。
仏壇が無ければ阿弥陀如来か南無阿弥陀佛の掛け軸をかけたり、阿弥陀如来を飾ります。葬儀社が南無阿弥陀佛の掛け軸を貸してくれました。
人形のケースに大きい紙を貼り人形を隠し、布団の配置をしてくれました。遺体に絹のような化繊の白装束を着せられ、ドライアイスで冷やされました。遺体の顔には白い布をかけられました。
枕飾りも配置していただきました。枕飾りは向かって左側の奥に花台を置いて樒を飾りました。樒が無ければ榊でも良いようです。中央奥に阿弥陀如来を飾ります。阿弥陀如来の手前に香炉を置きます。香炉には焼香火種を入れて火をつけます。香炉の向かって右には焼香を入れる香盆を置きます。阿弥陀如来の向かって右側には燭台を置きます。
燭台の手前には鈴を配置します。
線香と蝋燭の火を消えないようにということで、長時間火を灯し続ける大きな蝋燭と、渦巻き香も置いてありました。お葬式が済むまで灯し続けるようにと親戚に言われましたが、火事になる恐れがあるので、拘る必要は無いのではと思います。
臨終の際に連絡した親戚が多く集まっていただきました。今後、葬儀をどういうふうにするかを相談しました。
ただ、親戚がすぐかけつけていただけるのかは、普段の付き合いの深さにもよります。
最初に葬儀をお願いする僧侶をお願いするお寺をどこにするか決めないといけないのですが、父親の生家が檀家をしているお寺にお願いすることにして連絡してもらいました。お寺に連絡すると早々に来てくれて、お経(臨終勤行)をあげていただきました。亡くなったのが深夜の場合はお寺に連絡するのは翌朝でもかまいません。
知ったお寺が無い場合は葬儀社に僧侶を紹介してもらうことも可能です。葬儀社に紹介してもらったほうが安くつきますし、檀家になったり、今後のしがらみが残るなどの事がなくてもすみます。最近ではAmazonでの僧侶の依頼もあるようです。